G−1/裏付きコート と G−2/キッズ裏付きコート は大きさはちがいますが作り方はどの工程も同じです。
今回のレッスンではこれら2つのコートの作り方を一緒にご紹介します。



■ 準備するもの

* 表布・・・C&Sオリジナル大きなドットのウール 又は、コートに適しているウールなどの厚手生地



* 裏布・・・お薦めはタフタといって密度を高く織り上げた平織の裏地ですが手に入らないときは
中〜厚手の裏地で代用できます。材質はどちらかといえばポリエステルよりもキュプラの方が
静電気が起こりにくくお薦めです。



* 接着芯・・・基布が織り布タイプがお薦めです。
今回使用した C&Sオリジナル大きなドットのウールに合わせた接着芯の厚み(透け感)は下の写真ぐらい。
基布は厚手のガーゼのような感じの織り布(タイプ)で、接着材の付き方はドット(タイプ)です。
ソーイングを始めたばかり…という方にとって、何十種類もある接着芯の中から接着後の表布の風合いを想像して
芯を選ぶのは大変難しいと思います。表布を持参して、お店の方に相談にのってもらいながら、選んでみて下さいね。





* 伸び止め接着テープ・・・ストレートテープ(中でもハーフバイアスにも使用できますというタイプがお薦め。
テープを引っ張ってみて、少し弾力のあるタイプがいいと思います。)



* ボタン












■用尺














■ パターンを準備します

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パターンの選び方
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81ページに記載してある出来上がり寸法を参考にサイズを選びましょう。
通常、コートのサイズはバストの大きさを基準に選びます
今回ご紹介する「裏付きコート・キッズ裏付きコート」は、適度なゆとりはありますが、
秋冬物のセーターなどの上に着ることを考えると、それほどゆったりとした着用感ではないように思います。
またコートの形は若干裾に向かって広がっていますがほぼストレートラインに近いシルエットとなっています。
基本的なパターンの写し方については、topicsの「縫い始める前にしておきたい下準備について」の
ページで詳しくご紹介していますので参考になさって下さいね。






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写しとるパターン
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サイズが決まったらパターンを写します。

* 前身頃
* 後ろ身頃
* 脇身頃
* 前見返し
* 外袖
* 内袖
* ポケット
* 表衿
* 裏衿
* 裏前身頃


 パターンは、外側の線だけでなく 「前身頃・後ろ身頃・衿」などといった型紙の名称や、
 「サイズ」「地の目」「合印」などすべての情報を漏らさず写しとっておきましょう。












■ 地直しをしましょう

裁断の前に地直しをしましょう。
ドライクリーニングを必要とするようなウールは、コットンやリネンとはまったく違う方法で地直しをします。





毛足のあるものや、こて光り(アイロンの熱によって生地の表面が光ってしまうこと)が出てしまいそうな
 生地は、あて布をしたりアイロンを浮かし気味にかけたりして、風合いを損ねてしまわないよう
 注意して作業を行ってくださいね。








裏布の地直しは、アイロンで行います。スチームをたっぷりと効かせて、布目を整えるだけでOKです。














■ パターンを配置しましょう

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置 き 方
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まずは生地を縦に二つ折りにして、片側に「わ」を作ります。
生地がゆがまないように広いスペースをとって作業を行って下さい。
下の裁ち図は大人用のものですが、キッズサイズも置き方は同様です。









■ 縫い代をつけましょう
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縫い代をつけます
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パターンが配置できたら、上図もしくは81ページ「裁ち図」を見ながら、指示どおりにチャコで縫い代をつけます。
初心者の方や生地が極厚手の場合は「縫い代1センチ」で指定されている箇所も
1.5センチの縫い代をつけておくと、多少縫いやすいように思います。



 裁断の仕方について詳しくはtopicsの 「裁断の仕方」 を参考にしてください。






■ 裁断しましょう
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裁断のコツ
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パターンを配置し、縫い代線が引けたら裁断をします。

裁断中は、はさみを動かしやすいように生地の周りを移動しながら各パーツを裁っていきます。
パターンを配置した生地はなるべく動かさず、はさみの下の刃を机に滑らせるように添わせ、
生地がはさみで高く持ち上がらないようにするのがポイントです。
衿ぐり袖ぐりなどカーブしていて切りにくい場所は、少し大きめに荒裁ちをしてからあらためて正確に裁断してみて下さいね。







■ 印つけについて

裁断ができたらチャコやチャコペーパーなどを使って印をつけます。
特に大きめに縫い代をつけた前後身頃と脇身頃の袖ぐり部分は、下図のように丁寧・正確に
出来上がり線(ミシンで縫う線)を引いておきましょう。




そのほかノッチのある場所は、縫い代部分に小さく切り込みを(縫い代の端から約0.2センチぐらい)入れておきます

必要な印を入れたら後はステッチ定規やミシン台(下画像参照)についている定規を利用して縫っていきましょう。
















■ポケットを作りましょう

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ポケットの底を形作りましょう
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まずは厚紙で、ポケットの型を作ります。
目的は、底のカーブしているところをきれいに形作るためなので、
ポケットの下半分ぐらいの長さがあれば大丈夫です。












続いて、下の写真のようにポケットの底のカーブしている部分をしつけ糸でぐし縫いします。









(アイロン台の上で)下図のようにポケットの上に厚紙を重ね、まち針で固定します。








先にかけておいたしつけ糸の両端を引っ張って、ポケットのカーブ部分の縫い代を縮めます。
厚紙をガイドにカーブ部分を整え、アイロンで押さえます。








厚紙を外し、もう一度カーブ部分にアイロンをかけて、しっかりと形を整え安定させます。
(スチームを効かせると効果的です)








裏ポケットも同様に、厚紙で裏ポケットサイズの型を作り、出来上がりに折ってアイロンで整えます。









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表裏のポケットを縫い合わせましょう
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表と裏のポケットを中表にして縫い合わせます。
本でご紹介している作り方より、少しだけ簡単な作り方をご紹介してみますね。























■前身頃を作りましょう

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前身頃のダーツを縫いましょう
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前身頃のダーツをつまんでミシンで縫います。
ダーツの先端は返し縫いをせず、糸を長めに残して、結んで処理します。
縫い終えたら、ダーツを上に倒してアイロンで整えます。






















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脇身頃と縫い合わせましょう
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前身頃と脇身頃を中表に合わせてミシンで縫います。
縫い終えたら縫い代を割ってアイロンで整え、裾を出来上がりに折ってアイロンで折り線をつけておきます。













■ポケットをつけましょう

身頃のポケット付け位置にポケットをつけます。

















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ポケットを仮止めしましょう
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めくった表ポケットを元に戻し、下図のようにしつけ糸で身頃に縫い止めます。









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表ポケットを縫い止めましょう
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表ポケットを奥まつり(手縫い)で身頃に縫い止めます。















■後ろ身頃を作りましょう

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後ろ中心を縫いましょう
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左右の後ろ身頃を中表に合わせ、後ろ中心をミシンで縫います。
縫い終えたら、縫い代を割ってアイロンで整えます。









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肩を縫いましょう
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前後の身頃を中表に合わせ、肩の部分をミシンで縫います。
縫い終えたら、縫い代を割ってアイロンで整えます。

















■裏衿をつけましょう

下図のように、身頃の衿ぐりに裏衿を合わせ、ミシンで縫います。
衿つけどまりと、衿の出来上がり線をしっかりと合わせ、ミシンで縫います。
ミシンは衿側を上にしてミシンをかけた場合は、出来上がり線でストップ。
身頃側を上にしてかけたときはは衿つけどまりでになります。

縫い終えたら縫い代を割ってアイロンで整えておきます。














■後ろ脇を縫いましょう

後ろ身頃と脇身頃を中表に合わせミシンで縫います。
縫い終えたら縫い代を割り、アイロンで整えます。

















ここからはコートの裏布を仕立てていきます。
さらさらとした薄い裏布を扱うのは初めて・・・という方もいらっしゃると思いますので
裏布についてのいろいろを、まずご紹介していきたいと思います。





* どうして裏地は必要なの? *
コートやジャケット、スカートなどのお洋服を裏に返してみると、
さらさらとした薄い生地が付いているのを見たことがあると思います。
このさらさらとした薄い生地を裏布または裏地といいます。
お洋服のシルエットをきれいに保ったり、脱ぎ着をしやすくしてくれたり、
表布を汗や皮脂などの汚れから守ってくれる役割を果たしてくれ、
寒い時期にはお洋服に保温効果を与えてくれたりもします。


* お薦めの裏地は? *
お店の裏地コーナーへ行くといろいろな種類の裏地がありますが
初めての方でも比較的扱いやすく、静電気のおきにくいキュプラがお薦めです。
色も厚みもたくさんの種類があります。


* 選び方いろいろ *
まずは厚みや風合いが表布との相性がいいものを選びます。
たとえば、表布が薄くて柔らかい生地なのに、張りのあるしっかりした裏布を選んでしまうと
表の柔らかな風合いを損ねてしまうことになってしまいます。お店に買いに行かれるときには
できるだけ表布を持っていきましょう。迷ったときや、どの裏布がいいかわからないときも、
気軽にお店の方に相談できます。


* 縫うときのポイントは? *
裏布を縫うときはミシンの針と糸を薄地用の細いものに交換します。
更にミシンの押さえ金も薄地用(大手手芸店などで購入できます)のものを使用すると
縫い目がつれずにきれいに縫うことができます。薄地専用の押さえ金がない場合でも、
生地の下にハトロン紙(パターン紙)のような薄い紙をしいて縫うと縫いやすく、
縫い目がつれずにきれいに縫うことができます。縫い終わったらハトロン紙の上から
軽くアイロンをかけて縫い目を境に片側ずつ丁寧に紙をはずします。


(薄地用の#90番のミシン糸/針はミシンに取り付ける太くなっている部分に
番号が書いてあります。裏地を縫うときは9番の針を使うときれいに縫うことができます。)




* 縫い方

一般的に裏布と呼ばれる生地は表布に使用するような生地(たとえば今回使用したウールなど)に
比べて伸び縮みがほとんどありません。そのため表布とまったく同じ寸法に仕立ててしまうと、
裏布が表布の伸びについていけず逆にお洋服のシルエットを崩してしまうことになってしまいます。
このようなことを防ぐために表布の「伸び分」を、裏布では「きせ」と呼ばれるゆとりをとって補います。
このコートでご紹介している「きせ」の作り方を裏後ろ身頃を例に大きな図で詳しくご紹介します。



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き せ の 作 り 方
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■見返しと裏前身頃を縫い合わせましょう

見返しと裏前身頃を中表に合わせ、下図のようにミシンで縫います。
裏前身頃は裾を2センチ折って縫います。

















■裏前身頃と裏脇身頃を縫い合わせましょう

裏前身頃と裏脇身頃を中表に合わせてミシンで縫います。













■裏後ろ身頃を縫い合わせましょう

左右の裏後ろ身頃を中表に合わせてミシンで縫います。
縫い終えたら縫い代は左身頃側へ倒し、アイロンで整えます。
















■裏身頃の肩を縫いましょう

裏前身頃と裏後ろ身頃を中表に合わせて、肩部分を縫いましょう。















■裏後ろ身頃と裏脇身頃を縫い合わせましょう














■裏衿をつけましょう

表身頃と同様に裏身頃に表衿を合わせ、衿付け止まりまで衿ぐりを縫います。









■表袖を作りましょう

左右の外袖と内袖を下図のように中表に合わせ、ミシンで縫いましょう。







縫い終えたら縫い代を割ってアイロンで整えます。













続いて袖山をしつけ糸で縫って「いせ」をよせます。



















■袖をつけましょう

身頃と袖を縫い合わせます。
表身頃と表袖を中表に合わせ袖ぐりをミシンで縫います。
お袖は左右あるので、つける方向を間違えないように気をつけて下さいね。













■裏袖を作りましょう

外裏袖と内裏袖を中表に合わせて下図のように縫います。
縫い終えたら続いて裏身頃と縫い合わせます。






















■表身頃と裏身頃を縫い合わせましょう

表身頃と裏身頃を中表に合わせて下図のように縫います。














■中とじをしましょう

コートを表に返して、アイロンで整えます。































■袖口と裾をまつりましょう

まずは裏生地をよけて、表生地の袖口と裾を上図のようにまつります。
続いて、折りあげた縫い代の上に裏生地を重ねて、出来上がりに整えます。
しつけをかけてから奥まつりします。






■ボタンをつけましょう

指定の位置にボタンホールを開け、ボタンをつければ完成です。














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