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裏布(裏地)ってなんだろう・・・?
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コートやジャケット、スカートなどのお洋服を裏に返してみると、
さらさらとした薄い生地が付いているのを一度は見たことがあると思います。
このさらさらとした薄い生地を裏布または裏地といいます。





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どうして裏布をつけるの・・・?
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裏布はお洋服のシルエットをきれいに保ったり、脱ぎ着をしやすくしてくれます。
更に表布に薄い生地を使用した場合には身体のシルエットが透けてしまうのを防いでくれます。
また、暑い時期には表布を汗や皮脂などの汚れから守ってくれる役割を果たし、
寒い時期にはお洋服に保温効果を与えてくれたりもします。





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お薦めの裏布は・・・?
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お店の裏地コーナーへ行くといろいろな種類の裏地がありますが
初めての方には、扱いやすく静電気のおきにくいキュプラがお薦めです。
選ぶときのポイントとして、まず「厚みや風合いが表布と相性がいい」ということがあげられます。
例えば表布がシフォンのように薄くて柔らかな生地なのに、裏布に張りのあるしっかりした生地を選んでしまうと
表布の柔らかな風合いを損ねてしまうことになってしまいます。

接着芯と同様、ぴったりとイメージに適したものを選ぶためには、始めはお店の方のアドバイスも受けるのが
1番いい方法かと思います。迷ったときや、どの裏布がいいかわからないときも表布を持っていれば
気軽にお店の方に相談できますので、お買い物へ行かれるときはできるだけ表布の切れ端を持って行きましょう。





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選び方いろいろ・・・!
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*表布と同系色
最も一般的なのは、表布と同系色の色を選ぶ方法です。
柄物の場合は、地色か一番多く使われている糸を選ぶと無難に仕上がります。


*透ける素材
透ける素材は裏布の色によって表布の見え方が変わってきますので、お買い物へ行かれるときには
切れ端だけでなく生地を全部持って行って、実際に裏布に重ねて選びます。
白色や薄い色の透ける生地は、肌の色に近い薄いベージュを選ぶといいでしょう。


*色柄物で遊び心を!
ジャケットやコート,など脱いだときだけのおしゃれとして、
表布とまったく違う色や柄物の裏布を使用しても楽しいと思います。





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地直しの方法は・・・?
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水通しはせずに、生地のゆがみをアイロンで整えます。
(生地端が斜めにカットされている場合は、まっすぐに整えてからアイロンをしましょう。)
アイロンは「低〜中」ぐらいの温度に設定します。
生地の耳(端)の部分が縮んでいる場合は、耳の部分に10〜15cmおきぐらいに
はさみで切れ目を入れると生地端を伸ばすことができます。


アイロン台の角と生地の角を合わせると、ゆがみ具合がわかりやすくなります。





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縫うときのポイント
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裏布を縫うときはミシンの針と糸を薄地用の細いものに交換します。
更にミシンの押さえ金も薄地用(大手手芸店などで購入できます)のものを使用すると
縫い目がつれずにきれいに縫うことができます。薄地専用の押さえ金がない場合でも、
生地の下にハトロン紙(パターン紙)のような薄い紙をしいて縫うと縫いやすく、
縫い目がつれずにきれいに縫うことができます。縫い終わったらハトロン紙の上から
軽くアイロンをかけて縫い目を境に片側ずつ丁寧に紙をはずします。



(薄地用の#90番のミシン糸/針はミシンに取り付ける太くなっている部分に
番号が書いてあります。裏地を縫うときは9番の針を使うときれいに縫うことができます。)

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更に家庭用のミシンをお使いの方はミシンの針が落ちる穴が横に長いため、
柔らかくて薄い裏布のような生地は、縫っている最中に穴の中に生地が入り込みやすくなります。
このようなトラブルを避けるために、あらかじめミシンの針を中心から左右どちらかに寄せて
縫われるとトラブルを避けることができますので、お試しくださいね。







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その他ちょっと知っておきたいこと
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きせについて・・・一般的に裏布と呼ばれる生地は表布に使用するような生地
(たとえば今回使用したウールなど)に比べて伸び縮みがほとんどありません。
そのため表布とまったく同じ寸法に仕立ててしまうと、表布の伸びについていけず
逆にお洋服のシルエットを崩してしまうことになってしまいます。
このようなことを防ぐために表布の「伸び分」を、裏布では「きせ」と呼ばれるゆとりをとって補います。






※きせの幅は身体の各部分によって少しずつ寸法が違います。
例えばジャケットやコートなどの袖下などは、挙手をするように手を上げたときでも対応できるようきせの幅を広くとります。
ここでは、ローライズのギャザースカートでとったきせの分量を例に説明図を作成しました。









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